一躍プラダの名前を馴染みない人にまで知らしめた映画、「プラダを着た悪魔」は、残念ながら登場人物がプラダで全身を固めてはいる話ではありませんでした。しかし、映画を見た人は出てくる登場人物たちが身にまとう服や小物のエレガンスさには、誰もが思わずうっとりさせられたに違いありません。「日常を贅沢に飾る」。これは、プラダが創業以来一貫して掲げている哲学です。そういった意味では「プラダを着た悪魔」は、この上ないほど「プラダらしさ」を体現した映画だったと言えます。
ベルト、サングラス、財布などの小物から、服飾、靴にいたるまで、日常のさまざまな部分を鮮やかに演出してくれるプラダですが、何と言ってもプラダを代表する存在は、やはりバッグです。女性ながら一度は、プラダのバッグを身に着けながら都会の街並みを颯爽と歩く姿を想像したことがあるのではないでしょうか。プラダの中でもエレガンスさが求められるような最高級ラインのモデルでさえ、可愛らしさや遊び心を残しているあたりが、女性のハートを掴んで止まない秘密なのでしょう。
サングラス、財布といった小物類から、服にいたるまで、日常生活の様々なシーンにおいてプラダは華やかに色を添えてくれますが、やはりプラダを代表するのはバッグに尽きるのではないでしょうか。プラダのバッグには、ある1つの理念がはっきりと見て取れます。それは、男性であれば「力強さ」(女性向けに比べると圧倒的にラインナップは少ないですが)、女性であれば「可愛さ」です。エレガンスさと上品さが強く求められる最高級ラインにおいてさえ、バッグに可愛さや遊び心が見て取れるのは、実にプラダらしいと言えます。
プラダのバッグには大きく分けて2つのラインがあります。キャンバス素材を使った「カナパ」と、カーフレザーを用いた「サフィアーノ」です。厳密にはこれ以外もあり、更にどちらも細かく分けることが出来るのですが、人気やラインナップを考えれば、プラダのバッグはこの2種類に集約されるといっても過言ではありません。
「カナパ」は、ピンクやホワイトといったはっきりとした色のキャンバス素材を用い、中央部に大きくプラダのロゴが描かれているのが特徴です。良く知らない人にとっては、布で出来たトートバッグと勘違いするのですが、底部はしっかりとビスで止め打ちされており、収納性や安定性は抜群です。何よりもその格式張らないデザインからデイリーバッグとして使うことが出来るので、幅広い年齢層に受け入れられ普段から持ち歩く方を多く見かけます。また分厚いキャンバス生地なので耐久性も安心です。
「サフィアーノ」はプラダのバッグの心臓部分だとも言えます。毎年プラダが最も力を入れているのがこのシリーズであり、ピンクやワインレッドといった人気色は新作が出るや否や、あっという間に全国で売り切れてしまうほどです。また素材は触ってみると分かりますが、カーフレザーでありながら、用いられている革がかなり固く、プラダが型崩れに対して強い意識を持っていることが分かります。大きさは4段階に分かれていますが、ビジネスやカジュアル、フォーマルシーンなどシーンを選ばず共通して使うことを考えれば、やはり真ん中の2つ、それも2WAYバッグタイプでしょう。逆にカジュアル、フォーマルシーンで、コーディネートのアクセントとして使うのであれば、一番小さい「サフィアーノ」がとてもお薦めです。数ある一流ブランドの中でもプラダは特に女性の美しさを引き出すべくビビッドな配色を使う傾向にあるので、どの「サフィアーノ」を手に入れても、持っているあなたの格がそれだけで1ランク上がるのは間違いないでしょう。どれも定価で購入すると価格は25万円前後とまずまずのお値段ですが、やはりプラダの「サフィアーノ」を強く意識したバッグを展開する他ブランドとは比較にならないほどの上品さと気高さが、本物の「サフィアーノ」には存在します。
